化学物質管理

九州大学化学物質の管理:本学における化学物質管理の管理体制及び化学物質の管理取扱いに関する基本方針は九州大学化学物質管理規程、化学物質管理規程運用マニュアルで定められています。また、実際の取り扱いについては化学物質管理及び廃液・廃棄物処理の手引きに詳細を記載しています。

化学物質の取り扱いに関して

  1. 1.化学物質管理支援システムIASOの利用支援
  2. 2.化学物質のリスクアセスメント(RA)実施支援
  3. 3.PRTR法対象化学物質の使用量等の調査集計
  4. 4.水銀及び水銀化合物の保有量等の調査・集計
  5. 5.化学物質の使用及び管理の状況に関する調査の集計と解析

[研究室整理番号について]

化学物質管理支援システムIASOの利用、廃液の処理依頼、廃薬品および含水銀廃棄物の処理依頼、作業環境測定、PRTR法や化学物質管理に関するアンケート調査のために、研究室等(所属)整理番号を付与しています。

*新しく研究室を発足する時は、部局担当のSYSユーザー(職員)に研究室等整理番号登録申請書を提出してください。

化学物質管理支援システムIASOの利用支援

九州大学化学物質管理規程 及び 管理規程運用マニュアルでは、化学物質管理支援システムにて薬品の管理を行うよう定められています。

新しく研究室を発足させるときの手続き

  1. 部局担当の SYS ユーザー(職員)に研究室等整理番号登録申請書を提出してください。
    SYS ユーザーが状況を確認後、環境安全センターに連絡し、研究室等整理番号、ユーザーID、パスワードなどが発行されます。
  2. ユーザー登録完了後、新しく設置する保管庫について、保管場所マスタの申請をしてください。

    IASO にログイン→Maintenance Manager→マスタ申請→保管場所

    画面下方に現れる「保管場所リスト」から第一階層(キャンパス/建物名)または第二階層を選びます(選ぶだけで、名称はそのまま、変えないでください)。第一階層(建物の表記)を押すと画面の上方の「保管場所名」に選んだ階層名が表示されますので、右端にある「階層の追加」ボタンを押して新しく利用する第二階層の名称を入力します。第二階層の名称は、「部屋番号/研究室名や実験室名」(例 A502/○○研_第一測定室)です。(第三階層を申請するときは、第二階層を選んでその下に第三階層を申請します。第三階層は「保管庫名」(例 毒物保管庫1)です。)上方の「新規」ボタンを押すと「申請します。よろしいですか?」と言ってきますので(コメントがある場合はコメント欄に入力して)OK ボタンを押します。部局の SYS ユーザーは毎日チェックしているとは限らないので、IASO 上で申請したら電話などでも確認しておいてください。申請するとその保管場所が赤文字で示され、SYS ユーザーが承認すると黒文字表記となり、さらに使用権設定がなされると青文字表記となり薬品を登録することができるようになります。

    *薬品は第三階層にある保管場所に登録してください。第二階層には薬品登録しないでください。

IASO R7の各種マニュアル(Chemical Manager編、Data Manager編、Maintenance Manager編、各日本語・英語)についてはシステムにログイン後、右上メニューにあるHELPページからダウンロードできます。

研究室を閉鎖するときの手続き

部局担当の SYS ユーザー(教員と職員)に連絡し、保有している全ての薬品について、廃棄、移管などの手続きを行い、研究室保管庫に残っていないこと、及び、IASO 上に薬品が登録されていないことを確認し、“化学物質管理終了(変更)によるIASOの設定変更依頼書”を部局担当 SYS ユーザーに提出してください。SYS ユーザーが状況を確認後、環境安全センターに連絡し、設定の変更を行います。また、研究内容が変わるなどして薬品を使用しなくなり、IASO のグループ ID が不要になった場合も同様に部局担当 SYS ユーザーを介して環境安全センターにご連絡ください。なお、研究室等整理番号は、IASO 以外でも使用することがありますので、継続します。

化学物質のリスクアセスメント(RA)実施支援

化学物質を使用する際には、その危険性と有害性を事前に調べて安全対策を考えることを化学物質リスクアセスメント(以下RAと略す)といいます。全ての研究室において、実験計画を立てる人は必ずRAを実施し、その結果に基づきリスク低減措置をとらなければなりません。また、教員は実際に作業に当たる人全てに対してRAの結果を周知させ、リスクの内容をよく理解した上で化学物質を取り扱うように指導しなければなりません。さらに、2023年から順次施行改正される労働安全衛生法では、RAの結果を関係者全てに周知するとともに、記録を作成し、次のRA実施までの期間保存しなければなりません。

リスクの要素

化学物質の危険性:可燃性、爆発性、自己反応性、支燃性、酸化性、金属腐食性、高圧ガスなど

化学物質の有害性:急性毒性、刺激性(目、皮膚、臓器)、皮膚腐食性、呼吸器感作性、発がん性、生殖毒性、水生環境有毒性など

RAの基本的な進め方(例)

  1. これから取り扱う化学物質を全て洗い出す。
    *RA 対称物質は現在674物質です(2023年3月)。今後、国によるGHS分類で危険性・有害性が確認されたすべての物質が順次追加されます。
  2. 取り扱う全ての化学物質の安全データーシート(SDS)を入手し、化学物質ごとに危険性、有害性を特定する。また、必要に応じてSDS以外からの情報(化学便覧、日本薬局方、化学大事典等)も調査する。
  3. 特定された危険性および有害性に対し実際の作業環境の情報を考慮したリスクを検証する。
    *GHS表示、RA実施支援ツール等を利用して危険性・有害性それぞれのリスク評価を行う。
  4. 必要に応じてリスク低減措置を検討する。
  5. RA結果等の記録を作成し、次にRAを行うまでの期間(最低3年間)保存する。また、収集したSDSは常に誰でも確認できるようにしておく。
  6. 必要に応じてRAを繰り返す。(気中濃度の実測結果なども取り入れるなど)
    *なお、RA実施については部局の事情も考慮する必要がありますので、詳細は各部局が定める化学物質RA実施マニュアル等に従ってください。

なお、RA実施については部局の事情も考慮する必要がありますので、詳細は各部局が定める化学物質RA実施マニュアル等に従ってください。

PRTR法対象化学物質の使用量等の調査集計

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」第5条に基づき、毎年5月に、前年度のPRTR法対象化学物質の取扱量、排出量、移動量等を調査しています。

本学の調査対象化学物質

全部局共通:ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、アセトニトリル、トルエン、キシレン類、ホルムアルデヒド、ノルマルヘキサン

病院(馬出、別府):エチレンオキシド(酸化エチレン)

水銀及び水銀化合物の保有量等の調査・集計

「水銀による環境の汚染の防止に関する法律(水銀汚染防止法)」(平成29年8月16日施行)の水銀等の環境上適正な貯蔵のための措置(第21、22条)に基づき、毎年5月に水銀等の保有量等を調査しています。

貯蔵に関する報告が求められる水銀等

水銀含有再生資源及び廃棄物処理法上の廃棄物に該当するものを除く、以下の水銀及び水銀化合物、またそれらの混合物(水銀又は水銀化合物の含有量が全重量の95%以上であるもの)

  • ・水銀(水銀以外の金属との合金に含まれる場合を含む。機器等に封入されているものは該当しない。)
  • ・塩化第一水銀
  • ・酸化第二水銀
  • ・硫酸第二水銀
  • ・硝酸第二水銀及び硝酸第二水銀水和物(いずれか一方のみを貯蔵している場合でも水銀等の貯蔵に該当する。)
  • ・硫化水銀(辰砂に含まれるものを含む。朱肉については水銀等の貯蔵に該当しない。)

化学物質の使用及び管理の状況に関する調査の集計と解析

「九州大学化学物質管理規定」第6条2項に基づき、毎年化学物質の使用および管理の状況調査を行っています。令和4年度からは九州大学アンケートシステムを利用し、各種法令(労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法、消防法、特定化学物資障害予防則、有機溶剤中毒予防規則)と遵守事項に基づき、45項目についてアンケートを実施しています。

水質分析調査

化学物質による環境汚染を防止するため、定期的に下表の水質分析を行っています。
環境安全センターでは GC/MS による揮発性有機化合物(VOC)、 ICPによる重金属、及びTOC計による全有機炭素等の濃度を測定しています。

測定場所 項 目 測定箇所 頻 度
各部局の排出水 VOC、重金属、pH、水銀、他 10 毎月 第1水曜日
伊都地区排水 重金属 1 1回/月
伊都地区環境水 VOC、重金属、TOC、他 10 2回/年
伊都地区再生水 VOC、TOC 1 毎週
同上 重金属 1 1回/月